都会のアリス

ALICE IN DEN STADTEN
製作:西ドイツ 1973年 監督:ヴィム・ヴェンダース 製作:ヨアヒム・フォン・メンゲルスハオゼン 脚本:ヴィム・ヴェンダース、ファイト・フォン・フェルステンベルク 撮影:ロビー・ミューラー 音楽:CAN 出演:リュディガー・フォグラー、イエラ・ロットレンダー、リサ・クロイツァー

旅行記の執筆のためアメリカを放浪していたドイツ人作家フィリップが、帰国のため立ち寄った空港で幼い少女アリスとその母に出会う。

 ロードムービーの定義がいまいちわからないけど、綺麗な映像たっぷりのヴェンダースらしい映画だった。カラーで見たいと思うNY、アムステルダム。しかし、鉄道の陸橋の下の、道路の風景の良さなどは白黒でなければわからなかっただろうし、写真に反射する笑っていない、アリスの表情など、ホント、何かを思わせるのが上手いと思う。登場人物の気持ちもわかりやすい。
 あとハッピーでもバッドでもない、この終わり方が好きだなぁ。全てを台詞にするわけじゃなくて、表情とか雰囲気で物語を伝える。よく評論家が言う、小津へのオマージュはよくわからないけど、似た様な「映画を通した独特の雰囲気」、はあると思うよね。