- 作者: 太田哲也
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/05
- メディア: 文庫
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素晴らしい家族愛に泣けました。日本一のフェラーリ使いといわれた著者がレースで事故にあってから、復帰までの物語です。雨の富士スピードウェイ、赤いフェラーリは100リットルのガゾリンを積載したポルシェ911と接触、爆発炎上。790度の熱にも耐えうるヘルメットが溶ける炎中で、筆者が見たものとは。
なんとか生死の境は乗り切ったものの、あとの闘病生活に筆者は悩み苦しみます。俺が何をしたというのか、頑張れったってこれ以上なにを頑張るというのか。助かって本当に良かったのか。自分の存在価値などあるのだろうか。家族の重荷でしかないのではないだろうか。鬱状態ってやつですね。
しかし殆ど絶望状態だった筆者も周囲の協力、特に奥さん、子供、同じ境遇にある患者の優しい対応に、徐々に希望を見出していきます。自分の生きる意味は何なのか、とか。自分は筆者に対する奥さんの姿勢に特に感動しました。人ってこんなにも優しくなれるもんなのね。いやー結婚って凄いね。